【高田焼四百年のあゆみ】

高田焼の陶祖「加藤与左衛門景直公」が高田に窯を築いてから2016年で400年を迎えます。3月12日(土)にとうしんエールの丘にて記念講演会を開催しました。多くの皆様に支えられて産地が成り立っていることを改めて意識いたしました。これからも組合員一同ものづくりに励んで参ります。何卒、ご指導とご鞭撻の程をよろしくお願いいたします。

 

多治見市長の古川雅典様にもご来賓でお越しいただきました。ありがとうございました。多治見市の地場産業である美濃焼の一角を担う高田焼産地としても、ますます頑張って参ります。

執筆者の一人である若尾正成氏に講演をいただきました。高田の陶祖の由来や、産地の歴史を分かりやすい解説でお話くださりました。

 高田・小名田地区で行われた考古学調査や古文書整理の成果を元にこれまで明らかにされてこなかった歴史や、地元の伝承等を整理してくださり後世へ伝えていくことができました。感謝に耐えません。

 

同じく執筆者の一人である春日美海氏にも主に近世から近代にかけての高田焼についてご講演いただきました。

 なかでも講演中にあった、昭和期の高田焼産地の危機に際してのエピソードは印象的でした。昭和7年(1932)に高田工業組合によって「高田焼製品改良研究会」が発足し、徳利に変わる製品開発が検討された際に「罎ト言ウ大敵ニ圧倒サレ文明ノ容器ニ打勝ツベキ方法更ニナシ・・・(中略)・・・当区ハ徳利ヲ以テ生命トナスモ、徳利以外ノ焼品ノ改良研究ニ没頭シテ、飽迄モ産業ノ改善ヲナサザル時ハ、前述ノ如キ自滅スルハ必然ナリ」という文章が発せられたそうです。いつの時代も苦境は訪れますが、それを乗り越えてきたことで今があるのだということが良く分かりました。

 

 来場者は250人を超え、会場や駐車場が足らなくなるという嬉しい悲鳴もありました。多くの方にお越しいただきありがとうございました。

 

講演会とともに、高田・小名田の古写真や古文書、発掘された瀬戸黒茶碗等が展示いたしました。貴重な資料をもとに解説員による案内も実施しました。

【展示会場の設営の様子】

古文書等を展示設営しているところです。青年部を中心に組合員一同総出で設営しております。また、執筆者の一人でもある岩井美和氏にも監修をいただきました。御礼申し上げます。

展示する写真を選定しています。大正初期から昭和中期にかけての貴重な写真で、組合員の祖父母や、現役組合員の幼少時代の写真等もあり盛り上がりました。